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痛みのメカニズムと痛みの治療薬について

2023.01.22
痛みのメカニズムと痛みの治療薬について
前回からの鍼麻酔効果の続き。痛みの原因痛みは、傷や心が絡み合って脳が感じています。「痛み」は単純な反射的感覚ではなく、心の動きや情動を伴った苦しみ、不安等、人が「感じる」体験だと考えられています。(国際疼痛研究学会)。痛みの原因は大きく次の4つに分けられます。痛みのメカニズムと痛みの治療薬について①傷から末梢神経を通じて脳へ伝えられる痛み(膝をすりむいたり、熱いヤカンに触れた時の痛み等、外傷)一般的な痛みで多くの方がイメージする痛みのほとんどがこの痛みで、「痛い」と感じている傷の場所で炎症が起き、痛みセンサーを興奮させる反応が生じて起こる痛みです。この痛みの治療の代表薬が、普段、皆様が病院や薬局で処方される痛み止めで、大半が非ステロイド鎮痛薬(NSAIDs)で、ロキソニン・セレコックス・ボルタレン等です。これらの薬は、①の痛みで起きる“炎症や痛みセンサーを興奮させる反応”を抑えてくれます。言い換えると、NSAIDsが効くという事は①の痛みの可能性が高く、その薬が合っている痛みと言う事ができます。他方、これらの薬では痛みが少ししか改善しない、又は、全く効果のない場合、感じている痛みは後述の②~④の痛み、又は、①~④の痛みが組み合わさっている状態と考えられ、この状態でNSAIDsを飲み続けるといたずらに服薬量が増えたり、効果はないけれども副作用の可能性が高くなることもあります。こういう場合は鍼灸は効果的なんです。②末梢神経そのものの痛み(帯状疱疹後神経痛・糖尿病によるシビレや痛み等、外傷はないが神経そのものが原因で起きる痛み)この痛みには、一般的に抗てんかん薬、抗うつ薬(三環系抗うつ薬・SNRI)が効果があると言われ、又、最近では、神経痛治療薬のリリカや痛みに対する有効成分を組み合わせたトラムセットが開発され、薬の選択肢が増えました。痛みのメカニズムと痛みの治療薬についてこういう場合は鍼灸は補助的な作用です。③心因性の痛み(神経・体にはあまり問題ないのに痛い、心理的問題・社会的要因等多くの要素で成り立つ痛み)これら痛みは薬物療法だけでなく精神療法を同時に行うと有効です。こういう場合は鍼灸は効果的なんです④脳や脊髄の痛み(交通事故等で、脳や脊髄が損傷して感じる痛み)これらの痛みは、薬では取り切れない痛みが残ることもあり、考え方や意識・行動の工夫も大事と言われます。こういう場合は鍼灸は補助的になります。以上のように「痛み」と言ってもいくつもの種類があり、また実際にはそれらが様々な割合で組み合わさっています。そのため、痛みの治療は、原因に応じた治療が必要となり、内服薬や神経ブロック注射、理学療法、精神療法などを上手に組み合わせた、総合的な治療が必要となります。でここに適切な鍼灸も本来なら入るんです。あくまで適切な鍼灸です。なんとなく鍼を受けると痛みが楽になるのではなく、鍼麻酔効果によりちゃんと痛みが軽くなります。薬に対するアレルギーがなければ、痛み止めとの併用が一番痛みの治療では効果的です
ではまた

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