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不妊治療の現状について

2023.11.13
不妊治療の現状について
日本産科婦人科学会の調査によると、2018年には全国592施設、合計454,893周期の体外受精が行われ、
胚移植1回あたりの妊娠率は31.9%でした。
この年の総出生数918,400人のうち体外受精で生まれた子どもは56,979人、
つまり16人に1人が体外受精で生まれているということです。
その5年前の2013年は、
体外受精で生まれたこどもは24人に1人の割合であったことと比較すると、
体外受精で生まれる子供の割合はかなり増えていることがわかります。
因みに2021年は、
体外受精で生まれてきたこともは約11.6人に1人の割合になります。


これは不妊治療(体外受精)をする人の数が増えたことと、
体外受精の技術の進歩により妊娠率が上昇していることが要因と考えられます。

不妊治療の成功率について
日本の成功率の全国平均から考えると、
35歳を境に妊娠率の下がり幅が大きくなっており、
反対に流産率は上昇していることがわかります。
この傾向は10年前から変わっておらず、
進歩した治療をもってしても年齢という壁を超えることは出来ないのです。

【不妊治療】年齢とともに成功率が下がる理由

ではなぜ年齢とともに妊娠しづらくなってしまうのでしょうか。
それには「卵子の質の低下」「卵子の数の減少」が関係しています。

卵子の質の低下

卵子は他の細胞とは違い、
新しく生まれ変わることはありません。
赤ちゃんの時にもっていた卵子は年を重ねるごとに減少し、
残った卵子はその分年をとります。
卵子は精子と受精するために「減数分裂」という生殖細胞特有の細胞分裂を行いますが、
年をとった卵子はこの「減数分裂」を正しくすることができなくなります。
正しくない減数分裂を行った年をとった卵子は、
その後精子と受精しても胚盤胞まで育たなかったり、
着床しなかったり、
流産したり、
あるいは先天性染色体異常を有した児に繋がります。
卵子の数の減少
女性の持つ卵子の数はいつが一番多時期は妊娠5ヶ月、つまりお母さんのお腹の中にいるときに卵母細胞(卵子の元になる細胞)の数はピークを迎えます。このとき約600万~700万個まで増えた卵母細胞は閉経に至るまで継続して減少し、増加することはありません。
生まれてくるころには、約200万個となり排卵が起こり始める思春期頃には30万個まで減少します。その後、37歳で25,000個、閉経を迎えることには約1,000個の細胞となってしまうのです。
年齢を重ねるとともに、卵子も年をとり、数も減ります。近年の生殖医療の高齢化により、体外受精をされる方の年齢が上昇しているため高齢での妊娠例は増えています。しかし、「妊娠数」ではなく「妊娠率」で見た時、高齢での妊娠率は5年前とあまりかわっていません。どんなに生殖医療の技術が進化しても、女性の妊娠に適した時期というのは、卵子の質が正常で、
卵子の量が充分あり、
ホルモンバランスがよく、
卵巣機能が正常な期間、
つまり25歳~35歳前後であることに変わりはありません。
なるべく早くにご夫婦で将来の家族計画を話し合い、
適切な時期に検査や治療を開始できるよう備えることが大切です。
不妊治療は早くはじめて、
早く終わらせることが大切です。
このように体外受精で生まれてくる子供は年々増加しています。
おそらくもう5年もかからずに10人に一人が、
体外受精で生まれた子供ということになるでしょう。
2022年度より不妊治療が保険適応になり、
いままで経済的な理由から体外受精に進むことを考えていた人たちが、
積極的に治療を受けることで体外受精を受けられる方は今後増加すると考えられています。
しかし上記に書いたとおり、
女性の年齢という大きな問題を忘れてはなりません。
不妊治療でお悩みの方は是非どんどん検査だけは受けられてくださいね。
不妊治療でお悩みの方はぜひご予約下さい。



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